天井の高さと性格

▽天井の高さと性格

次に立体面で高い低いの説明に入ります。高いというのは立体的に広いということにつながるもので、心理的な影響は広いことと同じであります。ただし、心が広くなるだけではなく、高貴高尚な面がプラスされてきます。だから高等教育を望むのであれば、天井を高くすることも一つの方法であります。もっとも天井が高いというのは、公正な心にはならせますが、少々温かみに欠けるきらいがあります。このようなときは色彩などでカバーして、天井が高くとも、使う部屋によって自分好みを反映させる工夫をすればよいのであります。

茶の間はあまり天井を高くしないほうがよいです。これは暖かい家庭的な雰囲気がなくなってしまうからであります。

寺や神社、または銀行などの天井が高いのは、高貴や公正などの感じをもたらせるための効果を考えたものであります。銀行へ行って「自分の預金は大丈夫だろうか」などと不安に感じる人はまずいないと思われます。ただし、高いといっても、あくまで広さとバランスを失わないことが大切であります。

天井の低い所の代表的なものは穴倉であります。穴倉は狭くてじめじめしたイメージもあり、洞窟を思い出させます。洞窟のような狭い部屋にいれば狭い心になり、秘密的になります。もっと悪くいえば、公正心をだんだん失い、自分さえよければという考え方になってきます。そして、このような意識が自分たちだけという仲間意識を持ち、同志としての親近感や、あるいは家庭的な親密感を沸かせるような結果にもなります。

高い低い問題は運命学的にいいますと、陰と陽に当たっています。この陰陽の使い方を比較してみますと、広さに対しての狭さ、高さに対しての低さ、明るさに対しての暗さが問題となっています。だから、たとえ広い部屋であっても暗ければ、狭さの感覚がプラスされてくるのであります。これが立体的家相であります。

その次は、色彩、そして材料、つまり軟質と硬質の問題であります。それからもちろん方位も忘れてはいけません。

各人の個性や力量によって異なるが、平均した理想をいえば、部屋とは広すぎず、明るすぎず、高すぎず、低すぎないことであります。要するに中庸ということで、これを適当としています。いいかげんの意味ではなく、心理的な考え方が加味されています。近代的な家相を樹立していくには、こうした心理的な面をも考えに入れなければいけなく、完全とはいえなくなってきています。だから間取りなどでも、男の部屋、女の部屋、子供の部屋と、その人の人生に後々まで影響してくるので、設計の段階から注意が必要であります。それから、応接間、客間、あるいは老人の部屋、幼児の部屋、茶の間という順で、考えを進めていくと良いでしょう。

いざ家を建てるとなりますと、一階と二階の間取りの都合や、またマンションやアパートの場合は、どのようなことに気をつけたらいいか、さらに商店の場合には、三畳、四畳半、六畳と各部屋の意味、どの部屋をどのようにつくるか、各部屋の使い方、その他対立相、四方塞がり、四方攻め、鬼門、廊下についてなど考えなければいけないことが、数限りないことに気づきます。日本人であれば、神棚、仏壇をどこにつくればいいかということもひっかかってくることもあるでしょう。また、樹木と庭、人間の関係、家に属する倉庫や物置、車庫のつくり方、井戸や池など、細かい部分にわたる詳細を計算する頭も必要になってきます。