変形性腰椎症

腰が痛いという症状には、腰だけではなく、足やひざが痛んだり、しびれたりする場合があります。これはほとんど椎間板症といって、背骨の間でクッションの役割をしているスポンジ様のの組織である椎間板が変形したためか、変形性腰椎症という中年以降の骨の老化によって腰椎が変形したためのどちらかによって引き起こされた症状であることが多いです。

特に変形性腰椎症の場合は、ひざの関節の老化による変形性膝関節症とともに、中年以降の女性の半数以上にみられます。

しかし、このケースは骨の変形が老化という抗しがたい原因に根ざしているので、すっかり治すことはできません。しかし、痛みやしびれの症状が出ている段階では、こまめに対処して、神経の刺激による痛みやしびれを抑え、治療によって日常生活を円滑にはできます。

-鍼灸治療編

◆主要なツボ

腰部 「三焦兪」、「志室」、「腎兪」、「大腸兪
臀部 「上髎」、「次髎
足部 「殷門
腹部 「大巨

などがポイントになります。

◆治療法

前処置として、緊張をとるために、蒸しタオルやホットパックなどで腰を温めます。ホットパックを使用する際は、重みで痛みが増すことがあるので注意します。

うつぶせで、「三焦兪」、「腎兪」、「志室」、「大腸兪」、「次髎」などを中心に治療をします。

さらに、太ももの裏の「承扶」、「委中」、「承山」などを治療します。

変形性腰痛症では、その他に老化を予防するために、腹部の「肓兪」、「大巨」を刺激します。ショウガ灸を行うのも効果があります。

足に痛みがある場合は、手の「合谷」、足の「陰陵泉」、「三陰交」を刺激します。

◆ぎっくり腰のクセのある人は…

ぎっくり腰を何度も繰り返す人は、根本的に変形性腰椎症であることが疑われます。ぎっくり腰が起こりそうなときは、何となく腰がうすら寒い、足が冷える、ひざがガクつくなど前兆があるので、そのような場合は、風呂に入って腰を温め、早く休むとともに、「志室」のツボを普段からもむとよいでしょう。