門と玄関について

▽門と玄関について

四正と四隅の正中線は、凶方位とされています。それは、四正四隅はその気の走りが強すぎるからだといわれています。

①東方の出入口

東方は陽気発生、酸素充満の方位で、吉構相の玄関、発展繁盛の兆しがあり、支店、分店と外に向かって伸長することを示します。新鮮な空気もいっぱい入ってきます。

②巽方(東南)の出入口

陽気充満でよい方位です。外から内に向かっての繁盛で、商店などにはことに吉方であります。しかし、出入りが激しいので、会社員などの家には散財する相となって向きません。

この方位は、東より陽気が高く、酸素も多くて、明朗性があります。陰気な玄関より陽気で明るい玄関の方が入りやすいのは当たり前であります。お世辞のよい物腰の柔らかい娘に心がひかれるように、この方位の玄関は自然と人の出入りが多くなってきます。

方位を人に例えますと、北の冬は母体の中、東北の早春はその母体の中から誕生すること、東の春は育成期を表します。そして、東南は成人期であります。とくに、陽ざしの柔らかい酸素が充満している東南は、気立てのいい娘さんにも例えられて、自分から求めるよりも、他人から求められる方位とされています。外から内という意味はこのようなところにもうなずけるかと思います。

③南位の出入口

南は陽気の頂点で、午前と午後に変化する境のところであります。とくに陽気であるので、明るい方へ向いていることになります。そうしますと広く見透す気分が湧いてきて、非常に物事を知りたい欲望にかられ、ジッとしてはいられず、動き回ることになります。したがって、南の方に玄関や出入口があると、落ち着きのない人間が出来上がります。一般家庭でこの方位に玄関がありますと、留守しがちの家になります。人間はあまり明るいところにジッとしていられないからであります。極端に暗いのは良くないとして、明るいよりも暗い所の方が、物事を静かに考えることに向いています。子どもが夏より冬のほうが落ち着いて勉強できるのもこのためであります。

しかし、外交員を使う商家なら、この方位の玄関もよいとされています。易で説明しますと、ついたり離れたりする働きを持っているので、営業を主とした仕事には絶好というわけであります。

また、会社で落ち着いて事務をとらなければいけない人を窓に向けてはいけません。ことに南側に窓がある場合には、絶対にいけません。外回りの営業の人の机は南側に、事務仕事をする人は、落ち着ける場所に机を配置するべきであります。

南の方位でも、東寄りと西寄りがあることが考えられますが、玄関はどちらかといいますと、東辰巳(東南)寄りがいいとされています。西寄りにするとなお落ち着かない危険性がありますそれは、西側は昼過ぎの日照りが強くなってきて、殺気立ってくるので、どうしても落ち着かなくなるからです。こんな過ちを繰り返していますと、よい部下や後輩が育たず、居つかないという結果も出てきます。

④西南位の出入口

ここは裏鬼門といわれているところであります。酸素が少なく、倦怠感を生じさせる空気が充満しているのであります。それに殺気立った強い日差しに色あせて死気感の湧く方位でもあります。

ここに出入口をつくることは大凶であります。もし、商店なら営業成績が上がらず、人の恩に報いるなどという精神が全く無くなってしまいます。人間にも商品にも良くなく、ときにはこの方位で熱風を受けて、商品が日焼けすることもあります。この方位は発展が止まり、家系が続かないという商家死殺の気を持っているのであります。ただし、どうしてもこの方位に出入口を避けられない構造の場合はいくぶんでも南側に寄せれば、大凶は免れることができます。

西南に玄関があると、女子は活気がなく、ノイローゼになるか淫乱になるか、また放浪します。つまり、内側から崩れるのであります。もしそこに住む女性が強ければ他者に害を及ぼします。

⑤西の出入口

西の方位は、金銭、財産の方位であるので、まずお金のことを心配しなければいけません。西方位に出入口がありますと、散財が多く、お金がたまりません。そして、色情が原因で家庭内に不和争論を起こします。ただし、水商売や夕方から始まる商売はよく、収入も多く、忙しくなる相であります。また、女性が活気づく方位ともされ、自然男性の出入りが盛んになってきます。これは、女性が男性をひきつける心理を持っているからであります。

⑥乾(西北)方位の出入口

乾は主人の方位であるので、そこに出入口があるということは主人を踏みつけにすることになり、主人の権威失墜のもとをつくります。そして妻の権力が強くなり、恐妻家が出来上がります。また不治の病にかかりやすく、病気も慢性化しやすくなります。

どうしてもこの方位に出入口を作らなければいけないときは、戌の方(やや西寄り)に寄せてつくることといいでしょう。そうしますと、商売などの客種がよく、地位ある人が出入りするようになります。また目上の人の引立てがあるなどの良い援助者を得ます。事業をしている人は大きな仕事を持ち込まれることがあります。これは主人が中心となって積極的にやるということよりも、むしろ他人に従って発展する傾向があります。自分が頭になるよりも他の人を立てて、それに従うということであります。

では、どうして乾の方位に玄関があったり、門戸を開けたりするのはいけないのでしょうか?乾というのはむしろ落ち着いていて、良い方位であります。ところがそこに出入口をつけるということは、落ち着かない状態にしてしまうことを意味します。結局家の中に落ち着く場所がなくなってしまうのであります。落ち着くところというのは、その家の中心で、拠り所になるべきところであります。この拠り所となるべき乾の方位がせわしい出入口になれば、女性はあまり影響されないのですが、男性は外部で活動的であっても、家にあっては静養の出来る状態を強く求めるので、落ち着くべきところがないと、居ても立っても居られないぐらい気分が乱れます。ことに主人がそのような状態だと、家庭内での権力が萎縮し、気の弱い主人なら、外に羽を伸ばしに遊び出たり蒸発したりするなどして、全く締まりがつかなくなってしまいます。

⑦北位の出入口

北の方位はあまり良い方位ではありません。もし北側に玄関をとらないといけない場合は、乾(北西)寄りにとるのがいいでしょう。

職種としては、北方は水が盛んな方位であるので、酒屋などはもってこいです。

みずみずしさを保つ仕事、冷凍を必要とする仕事、そのような類の仕事には良いのであります。

北の方位は部下に恵まれない傾向が出てくることがあります。玄関は家の顔なので、顔が北を向いているのでは見栄えがしません。もし部下が長く居つけば、それは非常によい部下でしょう。下向きに地味に働く真面目な部下なのであります。これは、北に親愛という意味合いがあることからきています。

北は静寂の方であるので、学者、研究者の場合は差し支えありません。

⑧東北方位の出入口

ここは表鬼門であります。もちろん鬼門といわれるくらいなので良い方位であるはずがありません。相続人を失い、家庭不和、離別の相があります。別名変化宮といわれ、急変司るところであるので、主人が家に居つかない、主人の急死、変死の憂いがつきまといます。邪気妖怪の相で考えられないようなことが起こることがあります。病災が絶えず、家業が変わりやすく、盗難にも多く遭います。もしつくらなければいけないとすれば、艮(東北)でも寅(東北東)に寄せることであります。

普通は大凶とされています。この方位でも金融業や水商売ならいいのであります。また質屋や葬儀屋、汲み取りやなどは商売が成り立ちます。また医者もよいとされています。