対立相

▽対立相

対立相というのは、同じ力をもって対立していることで、部屋に置き換えますと、同じ広さの部屋、すなわち六畳と六畳を比較したときの相を指します。部屋の広さばかりではなく、同じ長屋が並んでいる、同じ造りの家が隣り合わせになっているなど、それぞれを比較される場合をいいます。つまり対立相、すなわち比較相なのであります。これは全てにいえることで、二人隣り合わせで同じ服装を身につけていますと、やはり競争心が起きてくることからも分かるでしょう。

同じような間取りの建売住宅やマンションなどが増えて、そこに住んでいる人の競争心が非常に激しくなっています。対立相の考え方の中に、例外として、家の大きさが異なっていても他人の家を一つ羨望としてみたり、自分を卑下したりすることが含まれています。逆に同一の形式の家に住んでいても、心と心が対立していなければ何でもないということもあります。

とかく同じような形態の家に住んでいると比較したり、対立したりしがちで、争い、不和の相が生じやすいのが普通であります。社宅やマンションなどに住んでいて、競争心が激しくなり、必要以上に見栄を張るなど人間にある比較心が強くあらわれてくるのは当然でありましょう。

しかし、このような現象をあまり罪悪視するのもどうかと思われます。むしろ競争心を積極的な意味でとらえ、単に見栄でない、生活向上への原動力に変えられれば、対立相も吉相にすることが出来るのであります。