台所の条件

▽台所の条件

台所は火気を扱うところなので、それに合わせてどの場所に台所を置くかを考えることから始めます。

火というものは煮炊きに使うものであります。例えば、魚を焼いた場合には煙が出ます。そして、火が燃えるために酸素が必要であります。つまり、台所は熱気と煙を発するところということになります。したがって、台所の位置を決める場合には、酸素の吸入と煙の出口の換気を考えなければいけません。

家の中央に台所をつくるとどうなるでしょう?火を使うために、家全体の酸素を台所にとられて、家人の吸う酸素が減ってしまいます。また、家の中央には煙の出口がないので、家中の酸素が稀薄になると同時に、一酸化炭素が充満しやすいなど悪条件が重なってきます。こうしたことから、中央部に台所をつくることは絶対に避けないといけないことが分かるかと思います。

また、丑寅(北東)と未申(南西)につくった場合にも、酸素の稀薄が考えられてきます。ここの方位はもともと酸素欠乏の方位なので、不燃焼が起きやすいです。それは、一酸化炭素の充満にもつながります。ことに丑寅の場合は、空気中の酸素が少ないところに、冬期はは窓を閉めておくので、なおさら酸素が不足してしまいます。台所の位置としてはやはり適当ではありません。

未申の場合も湿度が高く、酸素も少なく、ものがよく燃えません。そして、季節で窓を解放するので熱気が坤(南西)位から室内に侵入して、悪影響を及ぼします。この方位も台所には向きません。

西の場合は、未申に連なっているところで、夕飯の時間には西日が強い方位であるので、熱気が室内に侵入するのでよくありません。とくに、9月の時期や夕方は、台所に置いてあるものが腐りやすいという欠点も加味されます。

戌亥(北西)正中位は、家屋中で一番落ち着く方位でありますが、ここは主人の方位であるので、台所を置くべきではありません。四季と位置の関係ではつくってもいい場所かもしれませんが、主人の安泰の考えからいえば、この方位に台所をつくるのは感心しません。ここの台所をつくりますと、主人が家に居つかないといわれ、人間にとって大切な精神衛生を侵害するので、台所はもっと適当な位置につくるべきであるということであります。

南の方につくると、春から夏にかけて必ず南風が吹き、そこの台所は、熱気が家中に吹き込んで、暑くてやりきれなくなります。

火を使う場所は北側につくったほうが、家中寒くなくてよいということがいえますが、北の正中位は争論が絶えず、狂人を出すといわれています。ここは鬼門の次に酸素不足となる方位で、室内を密閉すると様々な危険が考えられます。酸素稀薄の方位はとくに換気を良好にしなければいけません。

火気の性格を考慮すると、乾(北西)、東あたりが台所にはよいということになります。