鍼灸オタクは早死にする 549

◆東洋医学講座 43

〇十二の大気作用

十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)が、天の気をあらわす〝幹〟であるのに対して、十二支は地の気をあらわす〝枝〟であります。十二支につけられている動物名は、十二気をあらわす符号で、一般の人に覚えやすいように便宜上当て振られているもので、それら動物とは直接の関係は持ちません。

●子(ね)の作用

子の字は、「孳(はらむ)」の字と同意で、胎中に〝子供を孕(はら)む〟意味であります。

自然界では、地中の母胎の根(子)に陽気が生じ、生命の内燃運動を現しています。一年では十二月の大気を示し、陰の大地の地中に陽を孕んでいる状態を現そうとしています。

人間でいえば、母胎のラッパ管の中で、卵子と精子が一体となり、身ごもる状態であります。

地上では、冬の寒風にさらされて、万物が内在され、地中では、外温と反比例して保温が高まり、種核が発芽しようとする働きをしているときであります。

●丑の作用

丑の字は、「紐(ちう)」の字からきていて〝紐(ひも)〟の意味があります。

これは、子(ね)のときにみごもった種子が根を張り、大地の母胎と根の紐で一体化して、地気に養育されていることを現しています。

人間でいえば、母胎内のラッパ管で受精した卵子が子宮体に着床して、母親と臍(へそ)の緒(お)の根で一体化して胎養される姿で、この胎養の働きを〝丑〟の字で表しています。

地上はいよいよ寒気が強く大寒となりますが、地中はそれと反比例して、ますます保温が高まり、胎養力がぐんぐん増し、発芽力が強く充実するときであります。

●寅の作用

寅は、「演(えん)」の字から成り、〝演(のび)る〟の意味があります。

子と丑の時期に地中で胎養していたものが、ようやく大地の重い壁を割って、地上の大気中に発芽し、力いっぱい演(のび)ようとする象形であります。

人間でいえば、今まで胎内で養育されていたものが、母胎外に誕生され、幼児としてすくすく育成されているときに当たります。

地上の寒さは解け、徐々に加熱されていく初春期で、地上の草木は加熱作用によって発芽伸長されていくときであります。

はり・きゅう専門 ひごころ治療院
中原区丸子通2丁目681番地トクオカビル1階
☎044-712-0989

ネット予約は
https://www.higokoro.com/reserve