主食と副食

主食と副食

今日では栄養の計算が先に立ち過ぎて、主食より副食が重んじられて、副食の量が多くなり、主食の量が少なくなっています。

主食とは、読んで字のごとく、量でも質でも大半を占めていることで、副食とは、主の副(ささ)えで、主を補うものであります。

日本人の場合では、

主食・・・米、パン、麺
副食・・・植物=穀類、野菜など。動物=豚、牛、鶏などの肉、鶏卵など。魚類=魚、貝、エビ、カニなど。

この主副食を五大栄養素にかえますと、

①糖質
②タンパク質
③脂肪
④無機質
⑤ビタミン

であり、五大栄養素の必要摂取量は、5つが同量ではなく、糖質が大半を占め、あとはタンパク質、脂肪、ビタミン、無機質の順に量が少なくてすみます。この計算は現代科学によってよく研究されていますが、実際に体内に入るとこの計算通りにはいきません。それはほとんどが大気中における実験だからであります。

また、現代人は食事内容は、美食・過食・偏食の悪の三拍子で、一層体の消化機能が思い通りに生理作用を営んでくれません。

なお、近年は繁雑な質をもつ食品が多く、それを主食のようにして食べています。何でも口と胃にまかせて食べますが、そう簡単に栄養に化するものではありません。繁雑な食物が体に入ればそれだけ繁雑な消化液をつくらなければいけません。それにいろいろな味質をいっぺんに食べますと、味同士が剋し合い、化学変化を起こし、消化する胃腸や消化液を作る腎系を損傷させて余分な負担をかけます。

小さな負担でも毎日積み重ねたら、大きな負担となり、また、他の負担と拱合すれば、なお負担が加重されて病気の素因となります。

理想的な食事は、五大栄養素を含む玄米に豆・麦を入れた主食と、ヨードやカルシウム分の含まれる海藻類、ビタミンの豊富な野菜類の副食であります。

何といっても、最大拮抗生成を営んでいる植物食が最高の長寿健康色といえます。

また、基礎体力をつくる成人を過ぎたら、動物食、魚介類はあまり摂らないほうが体にかかる負担は少ないのであります。

とくに玄米は、五大栄養素の糖質・脂質・タンパク質・無機質・ビタミン群を他の食物に比べて豊富に含み、さらに繊維質が沢山あります。

繊維質を毎食毎食食べることは、どれだけ胃腸の蠕動運動をはじめ、内臓筋を活発にするかわかりません。

五大栄養素は、玄米以外の食品にも多く含有されているので、玄米を特別に食べなくてかまいませんが、この原米が含まれている繊維質だけは、他の食品には含有されていない素晴らしいものであります。その証拠に、胸もやけず、ガスもこもらず、どんな頑固な便秘でもピタリと治します。しかし、玄米の量以上に他の糖質分を飲食して、胃腸の筋肉を弛緩させてしまえば、玄米の効力は消されるので、話は違ってきます。

糖質過剰で内臓筋が弛緩して半健康体の現代人を救うのは、毎食玄米を食べて、過食・偏食しないことであります。

主食は全体の60パーセント以上であることが望ましく、副食は40パーセント以下で、あまり種類の異なったものを一度に摂らないことが賢明であります。